2023.10.16
ヘルススコア再考 – Deelの事例から
私たちはスイカが大好きです(異論は認めます)。しかし残念ながら、ヘルススコアが表面上は緑色に見えても、その皮の下は真っ赤であることが判明した顧客については、その関係はスイカのように甘いものではありません。このような顧客は、CSMの一日と会社の収益予測を台無しにするのに十分なインパクトを与えます。
このブログの読者は、顧客のヘルススコアが現実と一致しない状況に一度は陥ったことがあるのではないでしょうか。しかし、どうすれば顧客の本当の状況を把握できるのでしょうか?さらに重要なことは、どうすればビジネス目標を達成するのに役立つヘルススコアを構築できるのでしょうか?
HRソリューションを提供するDeelのカスタマーサクセスマネージャーであるSofia Marreroは、このような疑問に対していくつか有益なヒントを与えてくれました。主なポイントをご紹介していきます。
すべてのヘルススコアはゴールから始まる
チャーン防止をお考えですか?アダプションを増やしたいですか?エクスパンションの機会を探りますか?目標によって、ヘルススコアの構成は変わってきます。最初のステップは、成功していると思われる顧客集団(コホート)を特定することです。そして、どの指標が彼らの製品活用を最もよく表しているかを掘り下げていきます。
最初のうち、ヘルススコアは、どの指標を使用し、どの程度ウェイトを置くかという点で、絶え間ない分析と反復を必要とします。明確なゴールを念頭に置いて反復することで、プロセスがより速く効率的になります。
社内の動きではなく顧客の動向に注目せよ
以前は、ログイン数や月間アクティブユーザー数(MAU)のような指標に基づいてヘルススコアを構築することが一般的でした。これらの活用指標は、場合によっては価値を示すものかもしれませんが、大抵の場合、顧客の体験を反映しない単なる統計的ノイズになってしまいます。
それよりも、どの機能が顧客が達成した実際の成果と結びついているかに注目しましょう。顧客によってユースケースは異なりますが、機能の使い方に共通点がないかを探すべきです。異質な顧客コホートが同じ機能を一貫して使用している場合、それはおそらくあなたがトラックすべき指標を示していると考えられます。
スタートアップ企業など多くの顧客データを持たない企業は、定量的なヘルススコアを構築しようとする際に苦労するかもしれません。貴社がこのような状況にある場合、より定性的なデータに焦点を当てることからヘルススコアの開発を始めましょう。また、より直接的でハイタッチな方法で顧客と対話する機会を得たり、より小規模な顧客コホートに焦点を当てることを検討するのもよいでしょう。できるだけ頻繁に顧客と話し、彼らがどのように過ごしているのか、何を必要としているのかを把握します。そして、その情報を最初のヘルススコアの目安にしましょう。
ヘルススコアは必ずアクションにつながらねばならない
もしヘルススコアがカスタマーサクセスチームによる即時かつ明確なアクションにつながらないのであれば、それはまったく役に立たないと言わざるを得ません。ここでの解決策は2つあります。第一に、特定のCSMに割り当てられた、明確に定義されたプレイブックタスク(CTA)のセットが必要です。第二に、CSMが何をすべきか、何を期待されているかをトレーニングするための、カスタマーサクセスツールの設定を含む、リーダーシップによるイネーブルメントプランが必要です。
CSMはヘルススコアを活用してよりプロアクティブに、戦略的に動かねばならない
カスタマーサクセスはプロアクティブであることが求められます。ヘルススコアはその変革の起爆剤となります。データがクリーンで、適切なプレイブックが整備されていれば、ヘルススコアはCSMに、課題が発生したときにそれを発見し解決するための先見性とアジリティを与えます。ヘルススコアに反映される指標の精度と粒度が増すにつれて、ヘルススコアが生み出すシグナルは、先行指標としてより有益なものになります。
ヘルススコアはチームスポーツである
カスタマーサクセスがヘルススコアという指標の説明責任をもつとしても、指標に紐づくデータは組織内の他のステークホルダーから取得されることが多いです。ヘルススコアが正確で実用的であることを保証するためには、これらのパートナ ーとのコラボレーションと、データソースとのスムーズな統合が重要です。例えば、多くの活用指標はプロダクトに由来しており、カスタマーサクセスはこれらの活用インプットの定義と意味について整理して一貫性を持たせる必要があります。
営業との連携も重要です。顧客の感情(センチメント)は、顧客がカスタマーサクセスにオンボーディングされる前の営業プロセスから形成され始めます。カスタマーサクセスは、最初からヘルススコアを正しく取得するために、営業と同じ認識を共有している必要があります。
最初はうまくいかなくてもOK
最初のうちは非常に基本的なスコアから始めても問題ありません。CSATやNPSなど基本的なものが考えられます。ヘルススコアが成長し、成熟するにつれて、アダプションや価値といった概念の定義を、プロダクト固有のユースケースに基づいて微調整できるようになります。初日からそれを理解する必要はありません。そして、ヘルススコアを毎月変更することを恐れる必要もありません。
ヘルススコアが成熟するにつれて、それはより洗練された柔軟なものとなり、特定のユースケースや顧客セグメント用のスコアを作成する機会を提供します。チャーン対策であれ、エクスパンションであれ、顧客のヘルススコアを正しく把握することで、ビジネス目標を達成するための有利な条件が整います。甘いスイカを正しく見分けることもできるようになるのです!
ヘルススコアについてさらに詳しく知りたい方はこちらのウェビナーを参照ください。