2024.12.22
CROが収益を最大化するためにカスタマーサクセスに注力する理由
企業の収益成長を担うCRO(Chief Revenue Office)は、いま新たな試練に直面しています。これまでの営業戦術では、もはや持続可能な成長を実現するのが難しくなっているのです。技術の統合や予算の縮小、購買意思決定のプロセスの複雑化がその主な要因です。
このような中、先進的なCROが注目しているのが「カスタマーサクセス(CS)」を収益最大化の取り組みに取り入れるアプローチです。カスタマーサクセスを単なるコストセンターではなく、顧客維持・拡大・推奨の推進要因とすることで、より安定した成長モデルを築いています。
カスタマーサクセスは販売後だけの役割ではない
これまで、カスタマーサクセスは販売後の顧客サポートに限定された役割だと考えられていましたが、適切に活用すればカスタマーサクセスは以下のような重要な成果をもたらします
- アップセルやクロスセルの機会の創出
- 解約率の低下
- ブランド支持の拡大
実際、多くの企業でカスタマーサクセスは営業活動においても重要な役割を果たしています。例えば、営業プロセスの中で、CSプログラムが大きなセールスポイントとして強調されることがよくあります。また、カスタマーサクセス担当者が営業会議に直接参加し、顧客への価値を伝えるケースも増えています。
さらに、CSチームは「カスタマー・アドボカシー(顧客擁護)」にも貢献します。既存顧客が達成した成功事例を集め、ケーススタディや推薦文、口コミなどを生成することで、営業やマーケティングの活動を強化します。
収益チームとしてのカスタマーサクセスの重要性
企業が顧客管理を部門ごとに分断して行う時代は終わりを迎えつつあります。今日の成功企業は、マーケティング、営業、カスタマーサクセスの各チームが連携し、収益目標を達成することが重要だと理解しています。この統合的なアプローチによって、顧客とのやり取りから得た洞察を活用し、以下のような成果を生み出します:
- 製品やサービスの改善
- 顧客ニーズに即したマーケティング戦略の設計
- 営業プロセスの効率化
特にカスタマーサクセスが収集する顧客情報は、営業活動をより効果的にするための重要な資源となります。この情報をもとに、営業チームは顧客の課題や期待に合致した提案が可能となり、結果として成約率の向上が期待できます。また、CSと営業が連携することで、顧客体験を一貫性のあるものにし、クロスセルやアップセル、契約更新を促進することもできます。
実際、Gainsightのカスタマーサクセスチーム「Swoogo」は、CSを収益チームに統合する好例です。CROの指導のもと、SwoogoはGainsightを活用して顧客健康スコアを15%改善し、初年度の売上維持率(GRR)を7ポイント向上させました。この成功は、CSと営業の連携によるものです。
持続可能な競争優位性を構築する
カスタマーサクセスを成長戦略に統合することで、企業は競争優位性を得ることができます。市場が変化を続ける中、カスタマーサクセスの役割はますます重要性を増しています。この役割を収益チームの一部として取り込むことで、顧客維持率や収益向上といった成果を実現できます。
さらに詳しく知りたい方は、GainsightとGTM Partnersによる「Go-To-Market Operating System(英語)」に関するレポートをご覧ください。